研究内容

1. 力学と構造最適化に基づく建築構造物の設計理論

 

力学理論と最適化手法に基づいて,構造性能,経済性に加えて,意匠設計や施工の観点からも総合的に高性能な建築構造物を設計するための理論的・実践的研究を行う.

 

  • 膜構造などの張力によって安定化される構造物,展開構造物や自由曲面シェルを,力学と最適化手法によって数理的に設計する手法(computational design)の開発
  • 各種制振・免震装置の最適化と,それらを組み込んだ高性能建築物の性能指定型設計法の構築
  • 柔なメカニズムの最適化と,それを用いた骨組構造および空間構造の応答低減法の開発
  • トラスや骨組構造の部材配置と形状を最適化するための手法の開発
  • 機械学習による高性能構造物の特徴抽出と,それに基づく最適設計法の開発
  • 自由曲面シェルとラチスシェルの力学性能と施工コストを考慮した最適化手法の提案
  • 折り紙を用いた建築構造の最適化と力学的特性の評価

 

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2. 構造解析・計算力学を用いた建築構造物の耐震設計と耐震補強

 

新しい材料やデバイスを備えた建築物を対象として,独自の力学モデルを提案した上で,詳細な有限要素解析によって,地震時に建築物が崩壊へ至る過程や,地震時の構造物全体と局所的応答をシミュレートするための研究を行う.また,最先端の構造解析技術の有効利用により合理的な設計を目指す研究や,実験を通じて提案理論の妥当性を検証する研究を行う.

 

  • 地震時に建築物が崩壊へ至る過程や,新しい材料やデバイスを備えた建築物を対象とした,独自の力学モデルの提案と,詳細な有限要素解析によって,地震時の構造物全体と局所的応答をシミュレートするための研究
  • 設計時の想定を超える地震荷重を受けた建築物の倒壊過程の解明と安全性評価法の提案
  • S造ブレースやRC造耐震壁などの複雑な挙動を崩壊まで解析するための力学モデルの構築
  • 新しい制振デバイスを設計・最適化するための数値実験システムの開発

 

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3. 構造性能の評価と向上のための技術の開発

 

地震や台風などの自然災害において,人々の命と財産を守るべき建物が本来の役目を果たすため,その構造性能を正確に評価して,構造性能向上につながる研究を行う。

 

  • 振動測定に基づいた建物構造健全性評価手法の提案
  • 3次元測定に基づいた建物応急危険度判定システムの開発
  • 組積造建造物などの不連続体のための構造解析手法の提案
  • 塔状柔構造の長時間振動を低減するための液体ダンパーの開発
  • 柔構造の風振動に関わる連成解析手法の提案

 

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